寮通信

第95回 ネパール旅行記3 (2016/11/23 学習院大3年 北山将士)

【第三回】

第三回目、またかよと思われていないか心配ですが、北山が続けさせていただきます。

4日目以降はカトマンズ市内、少し離れた郊外の観光地や寺院をめぐりました。

紹介したい場所はたくさんありますが、特に印象深かったものを2つ紹介します。

【ダルバール広場】

タメル地区から迷いながら歩いて30分ほど。旧王宮のハヌマン・ドガ、その姿は撮影禁止の『生神』クマリが住む「クマリの館」、ヒンドゥー教の神シヴァとその神妃パールヴァティーを祀る寺院、博物館などが集中している広場。近くには野菜、肉、衣類、スリッパ、お香などなどが雑然と並ぶ古くからのバザールがあり、観光地ですが、たまに自称ガイドが出没する程度で、タメル地区と比べると、古くからの雰囲気が残っています。

この広場は地震の際にいくつかの寺院や建物が全壊し、全壊を免れた建物も修理が進められていて、立ち入り禁止の場所もありました。「地震の前に来たかった」と思う場所がたくさんありました。

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広場と牛。このあたりを1日歩いていると日に何度か牛に遭遇する。写真左の部分のようにあちこちで修復が勧められていた。
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カーラ・バイラヴ像。シヴァ神の化身、「恐怖の神」だそうで、写真のように、剣を持っていたり、足元で誰かを踏んでいたりしますが、この像はかわいい印象。
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旧王宮内部の広場の様子。

 

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地震でも倒壊しなかった広場のシヴァ・パールヴァティー寺院。左がシヴァで、右がパールヴァティー。シヴァはヒンドゥー教でヴィシュヌ、ブラフマーと並ぶ三大神に数えられる。

 

ここに来た最大の目的はクマリに会うことでした。

クマリとは、ネパール国内からいくつかの条件に基づいて選ばれた女の子で、神の化身として信仰されており、真っ赤な服を着ており、小さい子とは思えない目力があり、なんとも言えない雰囲気があります。ネパールには、ここにいるクマリ以外にも何人かいるらしいですが、ここのクマリはロイヤル・クマリと呼ばれ、最も有名で、かつてはその予言に王も従ったそうです。

そんなクマリに、会える(というか訪れた人に二階の窓から顔を出してくれる)ようなので、顔を出してくれる時間に合わせて行ってみます。

実際に行ってみると、窓から顔を出してくれる時間帯のはずですが、いません。

「クマリは祭に出かけていて、今日いない。」とのことです。仕方なくホテルに戻りました。

確か次の日の朝、ホテルから出ると、向うからこっちに金色の輿を担いだ行列が来ました。少し遠くから見てもよく目立っていて、わかりました。そこに真っ赤な服を着て、頭に飾りをつけた女の子が乗っていました。クマリは写真撮影禁止(しかし、なぜかネットには写真があるし、タメル地区ではポストカードが売られている)なので、写真は行列の後ろ側から撮りました。先日聞いた祭からの帰りだったのか、全くの偶然でしたが、運が良かったです。

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真ん中、赤い看板の下がクマリの乗っていた輿。

 

【ボダナート】

ボダナートはタメル地区から車で20分ぐらい。世界でも有数のチベット仏教の巡礼地だそうで、巨大なストゥーパを中心に、周辺にはチベット系の住民が住み、チベット仏教のお寺であるゴンパも点在しています。中心のストゥーパはネパール最大のストゥーパであり、その周りを囲むようにしてお土産物屋や仏具屋、ゴンパ、長期滞在者用のゲストハウスが立ち並んでいます。ストゥーパの基壇の周りにはマニ車が取り付けられています。

マニ車とは、マントラと呼ばれる祈りを象徴的に表した文字が刻まれている筒に経文を書いた紙が入っており、その筒を回転させる事でご利益があるというものです。

お土産屋さんにはたくさん売っていたので、いくつか買ってきました。

ちなみに、ここも地震でストゥーパの上部に亀裂が入ったそうで、僕が行った8月後半時点では上部に覆いがかけられ、足場が組まれ、修復工事中でした。二日目に行ったスワヤンブナートのストゥーパに似ていますが、規模が段違い、こちらのほうが巨大です。

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周りの建物と比べても大きさがわかる。
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高速回転する巨大マニ車。この旅行で見た中では、ダントツで最大。

ゴンパの中を見学することができました。お堂の前まで来たら、オレンジ色の服を着て、えんじ色の袈裟をしたチベット仏教の僧侶が手招きしてくれたので、お邪魔しました。ここでも写真は自由に撮っても良いとのことでした。

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お堂の中の様子。
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僧侶。写真を撮ってくれと頼まれて撮影。
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読経中。一番手前のお坊さんに写真を頼まれた。

他にもいくつか観光地を巡りましたが、この二つの印象が特に強いです。

長くなりました。いよいよ、次で最終回です。